本「遥かなるカミニート」

佐藤さんから五木寛之の「遙かなるカミニト」が郵送で届いた。
昭和52年初版、昭和54年再販。しまいこんでいた本の埃の匂いがした。
 五木寛之の作品を読むのは久しぶり。まして若い頃の作品で。
夢中で読んだ。
読み終わったとき、私は彷徨った。
この小径は希望があるだろうか。絶望だろうか。
 ところで、カミニトという曲はどんな?あらためてネットで聴いた。
 遠い所で聴いたかもしれない。そんな思いをさせられた曲だった。
 「庭子の2曲選」の一つはカミニトだ。決まった。
 
Caminitoは古典的名曲中の名曲ですので私が今更お話しするまでもないと思いますが、
作曲:1926 年Juan de Dios Filiberto(フアン・デ・ディオス・フィリベルト
作詞:カミニートの歌詞は作曲に先立つこと23年前、1903年にGabino Coria Peñaloza(ガビーノ・コリア・ペニャローサ)によって書かれた詩に曲をつけて出来上がった作品。
1923年、タンゴコンクールのに出品されたものの既成の音楽を求めていた聴衆から非難や罵声を浴びて、この曲の演奏自体が中断してしまうという。しかし、この曲の良さを認めていたフランシスコ・カナロはコンクール開催中の演奏会で連日連夜に演奏したことで、楽曲の素晴らしさが認識され、この年の優勝曲になったと記されていた。
 今回、Caminitoのどの演奏を選ぶか,歌い手は誰のを選ぶか。フランシスコ・カナロの演奏?


1日中かかって聴いた。Caminitoの日となった。
庭子の2曲選のひとつは藤沢蘭子のCaminitoにした。
藤沢蘭子(1925年生)は満州から1947(昭和22年)の3月に引き上げてきた。ダンスホールなどで歌ってレコードデビューしたが不運が続いた。後半カムバック後最初に歌ったのはNHKテレビ「音楽の広場」に出演。「カミニート」を歌った。黒柳徹子が「藤沢さんがタンゴに惹かれるきっかけは」と問われて「力強くて荒々しいところ」と答えている。
藤沢蘭子はスペイン語はわからないがスペイン語に拘って決して日本語では歌わなかったいう。藤沢蘭子の訳詞があった。