6月21日、夏至を江之浦測候所で

日の出10分前。
海面は鏡のようで、空は海を写し海は空を写しているように見え、空と海が一体になったようように。
4:30分、日の出の時間。
重要な折返し地点の夏至。雲の間からかすかな未来へと通じる光が。

 今朝は家を3時半に出て、小田原文化財団 江之浦測候所「夏至 遥拝する会」参加させて頂く。
「夏至 遥拝する会」はネットで申し込んで抽選で選ばれる。当選者は50人で、抽選の倍率は「難関と言われる大学の競争率と同じぐらいか」と伺った。抽選に当たったこと事態ありえないような、有り難いことです。

夏至は梅雨の季節で、なかなか天気に恵まれないようですが、今朝は天気もよくて、お陰様です。朝4時、入門。

 小田原文化財団設立者・杉本博司は、「悠久の昔、古代人が意識を持ってまずした事は、天空のうちにある自身の場を確認する作業であった。そしてそれがアートの起源でもあった。新たなる命が再生される冬至、重要な折り返し点の夏至、通過点である春分と秋分。天空を測候する事にもう一度立ち戻ってみる、そこにこそかすかな未来へと通ずる糸口が開いているように私は思う。」と語ってます。

 一年に4回めぐってくる節目の1つ、夏至の日。この特別な日に、江之浦測候所で、相模湾から昇る朝日を遥拝する会に参加させていただきましたこと感謝です。
 4時受付でしたので、係の人たちも大変だったと思います。パンと飲み物の軽食付きで、にこやかに暖かく、迎えてくださいましたことこころよりお礼申上げします。

4:15 日の出を待つ。
海の色が刻一刻、10秒ごとに変わっていきます。

冬至を見る隧道、海に突き出てます。
隣はガラスの能舞台。測候所の下に住んでいるいるというご婦人に会いました。ご婦人はここでの能舞台をご招待いただいて2回観たことがあると。海に浮かんでいるような能舞台で観るお能に思いを馳せる。

日の出10分前。
鏡のように海と空がお互いに映し出している姿を見ていると、宇宙の息遣いと海の底の生き物たちの息遣いを感じた。そして、無言であるが大きな声で呼びかけられているような。大きな「愛」に包まれていることも。

6時半、空はこんな感じ。

6:30、「太陽のスポットライトが海面にでてますよ」と、係の人が輝いた顔して声かけてくれた。あっ、スポットライトだ!

7:00 閉館。
4時から始まった夏至の日、博物館からの差し入れのパンと飲み物を頂きながらあっという間の3時間だった。