着いたところは、牛が道路を歩いていた。カントリーな街だった。
「父さんが僕たちの家を宿にすれば良いと言った」と青年は言った。
ご好意に感謝して「では、一度あなたの家に行きたい」と一昨日の話になり、昨日、ホテルまで青年は迎えに来てくて、青年の家に向かった。
青年は「コロンビア研修」の交流会で繋がった青年である。工業用のエンジニアを専門として小さな会社を起こしたという24歳で、誠実で知的な印象である。
スペイン語学校は1時に終わり、2時から自由参加のカルチャーの時間になる。昨日はカルチャの時間は不参加にして、2時に青年がホテルに迎えに来てくれる手はずとした。
急に大雨が降ってきたが、30分もすると雨は上がった。
ボゴタは急に大雨が降ってぱっと雨は上がるのですって。今日も大雨が降った。
道路事情は悪い。ボゴタは電車や地下鉄がない。移動手段は公共のバスと自家用車と、通勤時間帯は車の間をぬって走るおびただしいバイクと自転車だ。車幅も狭い。狭い車幅の中、上手に攻めあいながら走っている。3車線の道路は常に渋滞している。
青年の家まで2時間かかった。遠いなあと思った。常に渋滞しているからわたしが入ったスペイン語学校があるセントロのに行くには常に1時間半から2時間半はかかるが、僕は大学時代は毎日2時間かかって大学に通った。なんの問題もないという。
カントリーの人々は穏やかな顔をしていた。広がる空。広がる牧草地帯の緑と山の緑。
朝日が登ってくるときの景色は素晴らしいと彼は言った。青年は尊敬するファミリーとこのカントリーの街がいかに素晴らしいかを語った。
私はとても心が動いた。青年がまた素晴らしい人だから心が動いた。
長いこと青年と話した。パソコン使って話した。車の中からすると4時間も話したことになる。
私が出した結論は、
「ここのカントリーとファミリーに心が動きます。しかし、問題は通勤に時間がかかりすぎること」
「ボゴタの街は2600のところにある高地の環境に私はまだ体が慣れていません」「私は年齢的にも無理は禁物な年齢です」
「私も若い頃は安い高速バスを使ったが、今は4時間もバスに揺れるのは耐えられくなって閉所恐怖症的な症状がでます」
「でもここのカントリーは魅力です。週末に泊まりに来ても良いですか」と結論をだした。お父さんもお母さんもともにお勤めしていて帰ってきたのは7時半だった。「いつでもあなたを受け入れる」と言ってくれたファミリーに見送られてホテルに帰り着いたのは夜9時半だった。
カントリー街の中のセントリにある喫茶店に案内してくれた。
いかにもカントリーらしい雰囲気でもあり、夢の国の喫茶店にいるような。
赤い果物をお湯で割ってだしてくれた温かいジュースが美味しかった。クッキーも甘くなくて美味しかった。
こういうところで過ごす時間は豊かで幸せなだろうなと想像した。