庭子75歳「絹ネコ物語]フランスとつながった vol.4

タンスの中に眠っている着物をアップサイクルして、
サスティナブルの考えで100年時代を模索してます。

いつも洋裁の裁ち台に居座っている猫の名前はナナちゃん。
「ミーちゃん」は先生の呼び名である。
ナナちゃん、ちょっとちょっと退いてね。裁断するからさ。
野良猫が来るとどうしても追い返せなくて4匹になったと。

私はどうも先生に「ミーちゃん」とは言えない。ミーちゃん先生と呼ばせて頂こう。

私は20歳のころ嫁入り前の娘として仕事の帰りに和裁塾に通った。お茶・お花と和裁と花嫁道具の一つで学んだ。
それから55年ぶりで、針仕事をするようになった。
それは、
タンスの中に眠っている着物をアップサイクルして活用したいと思い、
洋裁も学ばなければという事で出会ったミーちゃん先生である。

それがフランス在住の日本お友達からメールを頂いた。
「ミーちゃん先生の先生は、50年前にパリのオートクチュール学校で立体裁断を学んだ….通称サンディカという学校ではないですか?
実は私もその頃、パリで立体裁断を学びました。
母がデザイナーで洋装店を経営していました。
だから私もファッションがやりたくてパリに行ったのがフランスに
行くきっかけでした。それがもう半世紀近くも前のこと。
ひょっとしたら、
その先生という方とはパリでお会いしていたかもしれませんね!
どうぞよろしくとお伝え下さい。
またひとつ庭子さんとご縁ができて嬉しい限りです。 」
こんな形でつながっているとはワオ!です。

いままでもいろいろな人と出会い助けられてここまで活かしていただきました。
人がつながる・出会っていくということの不思議さは、
偶然ではなく神様の計らいのような気がします。
ミーちゃん先生のお父様は日本画家の深水の愛弟子だったと。
ミーちゃん先生のお母様をモデルに描かれたお父様が描いた日本画です。
洋裁の先生との出会いは
湯河原の和菓子「扇屋」さんのつながりでした。
この店のこし餡のおはぎは1個140円で安くて美味しくて、私のお気に入りです。
2年ほど前に、ガラス戸に紙の周りは日に焼けて茶けている古びた張り紙に「洋裁教えます」という張り紙を記憶していたので「今も教えてますか」と尋ねました。

 電話すると「へえ、いまどき洋裁を習いたいという人がいるのね」。
12月13日、はじめての洋裁です。プロジェクトのためにまず私が習う。
「ごめんください」[ti1] 。猫が4匹いました。先生は78歳。
12月16日、2回め
私の手作りのお弁当持参で
先生の分も持って、一日仕事で教えていただきました。
先生は「立体裁断」に出会ったら、面白くて・面白くてハマりましたと。
無駄を省いた断捨離の考え方で裁断していくやりかたを見ていると
裁断士のプロフェショナルだなあと思いました。

手仕事こそ、人生百年時代のヒント
私を始め今は人生百年時代に戸惑っているのではとおもうのです。
亡くなった母が腹をくくったとき「それが因果よ」と潔く言ってました。大正・昭和初期に生まれたおばあちゃまたちは、戦後の自由民主主義に「それが因果よ」と受け入れてきたとおもうのです。子どもが結婚してやれやれで子どもの孫と少し遊んでいるうちに寿命になる時代ではなくなりました。以前から言われてはいましたが現実になると、いきなりという感じです。
人生百年時代に、神様が100歳まで生きろと言われたら生きてしまう時代です。

私の母は潔い人でした。魚屋をしていました。サラリーマンの長男から「もう歳だから辞めてくれ」の言葉に息子に迷惑はかけられないと潔く市場の権利も捨てました。魚屋をしているときはにっこりほっこりした顔で女布袋さんのようだと、私は惚れてました。
母は離れの部屋でボケないようにと雑巾など縫ってました。でも、魚屋を閉めて2年もするとボケて、半年ほど嫁さんを困らせて亡くなりました。

人間は必要とされないようになるとボケてしまうのだなあと母を見ていて思いました。周りのおばあちゃまたちも、家族に迷惑かけないようにボケないで元気に過ごせるようにと、願掛け慈童にいったり、小さくなって生きている人を身近に見かけます。もちろん、スポーツセンターに行きオシャレして、芸術に旅行にお食事会にと勤しんでいる方も居るのも確かです。

私は考えました。
手仕事こそ百年時代のヒントに。
サスティナブルの考えで着物をアップサイクルして、指先を使って縫って、お金になって、ひとさまが喜んでもらえる場を提供しする。
おばあちゃまたちが必要とされて活き活きと楽しく生きられる場を作るそんなプロジェクト「絹ネコ物語」ー着物がネコになる日ーを始動しました。

募集中!!!
◎着物をリフォームする縫い手さん◎タンスの中に眠っている着物をアップサイクルしたいと思っている人、◎一緒に作ってみたいと思っている人、◎着物のサスティナブルを考えたい人、◎なにか応援したいと思っている人、募集してます。応援の声が嬉しいです。FB: 池田庭子(teiko ikeda)