東海道線の無人駅の根府川駅から江之浦測候所行きのバスを待っていると、50歳代ぐらいのお一人様の男性も待っているようだった。声をかけた。
「僕は杉本博司氏を追いかけて、彼の京都の掛け軸展にも行き、江の浦測候所は2回めです。杉本博司氏の作品を観たくてそのために働いているようなものです」と言われた。
まずは、室町時代に建てられた「名月院」が迎えてくれた。
空間の中でゆったり見て欲しいという杉本氏と財団の考えで、人は広い敷地に閲覧者は10人ほどで人の姿を感じない。
敷地の地図と案内の冊子を受付で頂いた。地図を見たがあまりの広さでどこから回ってよいのか迷う。そこで根府川駅でバスを待っているときに出逢った方に「どこから回ったら良いでしょうか」と伺った。そこに係の方も加わって丁寧に教えてくれた。
申し込みはネットで2日前までに予約し、チケットはコンビニで手にする。
夏至の日、冬至の日、満月の日は申し込み者の抽選で10倍の競争率だと。
今放映中のNHK大河ドラマのタイトルは、小田原文化財団 ファウンダーの杉本博司氏が書いたのでした。
相模湾を望むガラスの能舞台。海の中に浮かんでいるように見えました。
檜の懸造りは京都清水寺の舞台、鳥取の三徳山文殊堂を模し、観客席はイタリア、の古代ローマ円形劇場遺跡を実測し再現されている。
眺めの良い海と菜の花も印象に!
海抜100メートルの地点に100メートルのギャラリーが立つ。ギャラリー先端部の12メートルは海に向かって持ち出しになって展望スペースが併設されいる。
夏至の朝、海から昇る太陽光はこの空間を数分間に渡って駆け抜けるという。
夏至を冬至の日は申込み者を抽選で受けるという。10倍の競争率だと。
新緑のもみじが鮮やかです。
蜜柑の花ももうすぐ咲きそう!
鎌倉時代の五輪塔の下に、シャガの花が咲いていた。
茶室「雨聴天」は千利休の作と伝えられる「待庵」の本歌取りとして構想された。「待庵」は利休が目指した侘び茶の一つの完成形と目されている。
屋根はこの地にあった錆び果てたみかん小屋のトタン屋根を慎重に外して茶室の屋根とした。天から降る雨がトタンに響く音を聴く。この茶室を「雨聴天」と命名された。(しおりより)
3時間あまり観たが、まだまだ、回りきれなかった。
この次はお弁当もちで悠久の時を過ごそうと思った。