下記の万葉集の一首が書かれている絵葉書を頂いた。
後(おく)れ居て恋ひつつあらずは追ひ及(し)かむ道の阿廻(くまみ)に標結(しめゆ)へわが背
———————————————–
後に残され恋に苦しんでいるぐらいならいっそ追いかけてゆこう。だから道の曲がり角ごとにしるしをつけておいてほしいのです。愛しき君。
「外国語を覚えるには〈恋人〉の存在が大きいです。Nó problom! 躊躇なしで突っ込んで行きなさい」という意味が書かれていた。
情熱な言葉でおー!であったが、コロンビアに行くことを目の前にして|いる私にもっとも適切なアドバイスであり励ましであった。
———————————————–
この歌も但馬皇女(たぢまのひめみこ)が穂積皇子(ほづみのみこ)に贈った恋歌の内の一つです。
この歌の題詞には穂積皇子が天皇の勅(みことのり)によって近江の志賀の山寺に遣わされたとなっていますが、但馬皇女との関係が原因で天皇に咎められふたりの仲を引き裂く目的で志賀に遣わされたとの説もあるようです。
歌の内容としては、残される但馬皇女が自分も追いかけていくから道の曲がり角ごとにしるしをつけておいてほしいと詠いかけています。
まあ、実際には追いかけることは叶わないと分かっていながらこのように詠いかける恋心が切ないです。