庭子75歳「絹ネコ物語」 捨てられませんVol.6

お尻のところが!
擦り切れて穴が!

大島紬の残り布で補強していると、
「もういい加減に捨てれば!」娘は言いました。イヤイヤ捨てられません。
膝にも、大島紬の切れ端で補強して、
ネコと一緒にいるような気分です。

補強はなにか新しいファッションになったような。
継当てもアップサイクルというのかしら。
着物の大島の残り生地で膝当て!
スカートからスカーフに
命をつないで、
アップサイクルされた生地はうれしいそうです。

40年前からずっと現役だった絹のスカートは私のお気に入りでした。
とうとう継ぎ当てしてもしきれないくらいボロボロに筋切してきました。
もういよいよだめだわというとき、
「長い間ありがとう」と声掛けして、
良いところだけを切りとり、スカーフにしました。

「流行は50年ごとにやってくる」ですかね。
洋装道行きは、大正元年生まれの亡くなった母のものでした。
生地が好きで何かに役に立つかもと、ずっとタンスの中でうん十年。

私は2019年9月から2020年8月末までコロンビア・ボゴタにいました。
私のアパートのご近所さんのカロリナと友だちになりました。
彼女はデザイナーでLEDAというブランドでアルパカの製品を扱っていました。
私は白のアルパカのセーターを買いました。日本円で3万円ほど。

アルパカのセーターのデザインは袖ぐりが大きくゆったりとしています。
広い袖ぐりが入る羽織るものがほしいが・・・
タンスから取り出して着てみました。
あらまあ、今風のファッションじゃない!
亡くなった母と一緒!

75歳のわたしができること、命のバトン~引き継いてつないでいく

昔の人はみなそうしていたと思いますが、私の母も着古した着物でふとんを包む大型の風呂敷にしたり、着物の腰紐や雑巾などを作って使い切ってました。
この精神は「もったいない」とは違うな気がします。
100円ショップやユニクロのように手軽に買える価格も断捨離という言葉も出てきて、捨てることが美徳とされ、罪悪感がない昨今です。

 日本は1万7千年まえの縄文時代から神から頂いたものという考えでリサイクルし最後は土に返してきました。
私は伊勢神宮の稲刈りのボランティをさせていただいた時、刈り取った稲は縄にし最後は土に返して土の肥やしとしてきた長い歴史があり、ものにも人にも「恩返し」でいのちをつないできた話を伺いました。
日本は昔からリサイクルで生活の場も清潔でした。
母の時代までは、太陽に手を合わせるのと同じで当たり前の世界だったとおもうのです。

そして今、再びそのことに気づいた人々がそれぞれにサスティナブルの考えで、 「命のバトン」をつないでいること知りました。
ならば、75歳の私に
今できることは何か?
そんなことを常々考え続けていました。

募集中!!!◎着物をリフォームする縫い手さん◎タンスの中に眠っている着物をアップサイクルしたいと思っている人、◎一緒に作ってみたいと思っている人、◎着物のサスティナブルを考えたい人、◎なにか応援したいと思っている人、募集してます。応援の声が嬉しいです